解説編-4.やめたいこと。やめること。

 あなたも知っているように、あなた自身が時間の無駄と思ったり、惰性だけで続けていると思うことがあるなら、それはあなた自身にとって、とても無駄なことです。同じように、あなたの周囲にとっても無駄なことなのです。

 ところが、特に惰性で続けてしまっていることを辞めることには、とても大きなエネルギーと勇気が必要になってしまいます。

 例えば、以前から自分の仕事が合っていない。辞めたいと思っている場合を考えてみましょう。
  あなたは、まず最初に心の中の不安と戦わなければなりません。第1に、金銭的な収入が得られなくなるという大きな恐怖感をかかえなければなりません。再就職しようにも、そのあてはまったくたっていません。希望する職種があったとしても、その希望にかなった職場が見つけられるかどうかはまったく未知数です。新しい世界に受け入れられるほどの価値を自分自身に見いだすことができないということもあるでしょう。
  仮に、勇気を振り絞る事ができたとしても、再び同じ世界に職をもとめ、同じ惰性と慢性的な無力感を抱き続ける事になってしまうかもしれませんね。

 これらの不安は、綯い交ぜになってあなた自身を縛り続けます。「そんなことをして、失敗したらどうするんだ?」、「今のことさえ続けられないのに、目新しさだけで浮気しても失敗するだけだ。」と、心の中の声が聞こえてきます。もちろん、継続とはすばらしいものです。ただ、ひたすらに続けること。ここには、珠玉の宝が隠されているのです。けれども、この継続とは、疑うことなく、ただ楽しんで、そしてひたすらに続けることなのです。惰性だけで行われていることは、残念ながら当てはまりません。寝ぼけまなこで道ばたを歩いているようなものです。周りの状況も確認できないでしょう。何が正しい道なのかさえわからないかもしれません。そして、最後には事故を起こしてしまうことでしょう。

 ならば、新しい世界にすすむ、小さな勇気を試すときです

 たとえ、今の惰性を停止することによって生ずるゆがみがあるとしても、そのゆがみは、今、起きているわけではありません。むしろ、今のあなたの中に、惰性という取り返しのつかないゆがみの霧が立ちこめているのです。その霧は、次第に密度を高め、いつかあなたに向かって危害を加えようとするかもしれないのです。そのことさえも、あなたは今、知ることはできないのです。

 新しい世界とは、いつでも、大いなる可能性に満ちています。そこに進む階段は、あなたが思っているよりも遙かに低い階段なのです。ほんの少し、あなたの勇気を求めているだけなのです。

 やめることとは、停止してしまうことではありません。新たな世界へ踏み出すための方向転換にすぎないのです。これまで進んできた一本道に、ふと見えてきた分かれ道へと方向を変えるだけのことです。
  あなたは、その道の先が見えていないかもしれません。ところが、多くの場合、この方向転換は、あなたがこれまで進んできたくねくねと曲がりくねった山道から、まっすぐに進むことになる高速道路への入り口であることがほとんどなのです。

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